【保育園、幼稚園の地震対策】備えから訓練、保護者との連携まで児童の安全を守る対策を紹介
日本は地震大国ともいわれ、保育中に突発的な揺れが発生するリスクは常に存在しますので、園児の命を預かる保育園・幼稚園にとって、事前の備えと迅速な対応は不可欠です。
しかし実際には、「何から始めればいいかわからない」「防災教育や保護者対応はどうする?」と悩む現場も少なくありません。
本記事では、保育施設で実践できる地震対策を建物と設備、行動や訓練といった観点からわかりやすく解説します。
・保育園で実践すべき地震対策を網羅的に解説します。
・設備や行動、教育、保護者対応まで安心の備えを整える方法が分かります。
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目次
今、保育園の地震対策が必要になる理由
なぜ、今あらためて保育園や幼稚園における地震対策が重要視されているのでしょうか。
はじめに、背景となる2つの視点から確認しましょう。
日本ではいつ、どこで地震が発生するか分からない
参考:内閣府「地震災害」
日本列島は4つのプレートが交差する地震多発地域に位置しており、全国どこでも大地震が起きる可能性があります。
南海トラフ地震や首都直下地震の発生リスクも指摘されており、どの地域にある保育園や幼稚園も例外ではありません。
「まさか」の事態に備え、日頃からの地震対策が重要となります。
共働きの増加で保育園、幼稚園の需要が高まっている
共働き世帯の増加などの要素により、保育園や幼稚園に通う子どもの数は増加傾向にあります。
日中、多くの子どもが長時間を過ごす施設だからこそ、安全対策の重要性が高まります。
保護者の不在時でも安心して預けられる環境を整えることは、施設としての信頼にも直結します。
保育園、幼稚園でできる地震対策【施設・設備編】
地震による被害を最小限に抑えるには、施設そのものの地震対策が欠かせません。
建物の安全性や内部設備の固定、備蓄体制を整えることなど、施設や設備についての地震対策についてご紹介します。
園舎の耐震診断、補強の実施
はじめに取り組む必要があるのは、園舎の耐震性の確認です。
特に1981年以前に建てられた旧耐震基準の建物では、耐震診断と補強が必要となる場合があります。
>関連コラム:耐震基準を満たしていない建物の問題点・解決法│賃貸住宅の場合は?リフォームで解決する?
一般的な補強内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- 柱や壁の補強(耐力壁の追加など)
- 建物基礎の補強(鉄筋や補強材の追加)
- ブレース(筋交い)や接合金物の設置、強化
耐震性を高めて1度の大きな揺れに耐えても、その後に続く余震で建物にダメージが蓄積されることがあります。
こうした“繰り返しの揺れ”に備えるには、「制震」の考え方も不可欠です。
制震ダンパーの導入によって、揺れそのものを吸収、抑制し、園児と職員の安全を守る体制を確保しましょう。

家具やロッカー、什器類の固定
地震発生時には、家具やロッカーの転倒による事故が報告されています。
棚や収納家具などはL字金具などでしっかりと壁に固定し、万が一揺れても倒れにくい配置を意識しましょう。
非常口、避難経路の確保と掲示
非常時には迅速な避難が求められるため、非常口や避難経路が確保されているかを日常的に確認しましょう。
扉の前に物を置かない、ルート上の障害物を取り除くなどの工夫が必要です。
また、避難経路を示す掲示物は子どもの目線にも配慮して設置することが望まれます。
>関連コラム:【避難経路の確保の重要性とは?】5つの対策を解説│倒壊・避難対策も紹介
災害備蓄品、避難グッズの整備と定期点検
非常時に備えて、食料や水、防寒具、携帯トイレ、救急セットなどの備蓄品を確保しておくことも重要です。
さらに、使用期限や劣化状況を確認し、年に1〜2回は点検・入れ替えを行いましょう。
乳幼児向けのミルクやおむつなど、年齢に応じた備えも忘れずに検討することが大切です。
保育士、職員が確認したい地震対策【行動・訓練編】
地震が発生した際、職員が迅速かつ適切に行動できるよう、マニュアルや訓練を通じて日頃から備えておくことも重要です。
園全体で共通認識を持ち、役割分担や判断基準を明確にしておきましょう。
地震発生時の初動対応マニュアル
地震発生直後、保育士や職員が冷静に行動するためには、初動対応マニュアルの整備が欠かせません。
緊急時でも迷わず対応できるよう、手順を時系列で整理し全員で共有しておくことが重要です。
たとえば、主な行動の例は以下のとおりです。
- 園児と職員自身の身の安全を確保(頭部を守るなど)
- 揺れが収まるまで無理に移動しない
- 揺れが収まったら出火の有無を確認し消火対応
- 園児の安全確認とケガの有無をチェック
- 園児の避難誘導、人数確認
- 管理職、保護者への報告体制を確立
こうした一連の流れを訓練とともに繰り返し確認し、各自の役割を明確にすることで非常時の対応力が向上します。
>関連コラム:地震発生時にやってはいけないこと9選│正しい行動・やるべきことも解説
園内、付近の危険箇所のピックアップ
地震発生時には、施設内外の構造物や設備が一気に危険箇所に変わります。
あらかじめ園内、周辺の「危ない場所」を洗い出し、職員間で情報を共有することが大切です。
たとえば、危険箇所の例としては以下の場所が挙げられます。
- 園庭の遊具(倒壊や落下のリスク)
- ブロック塀や老朽化したフェンス
- 大型の窓ガラスやガラス扉
- 天井の照明や吊り下げ装飾
- 電柱、看板、隣接建物の外壁や屋根瓦
- 避難経路上にある段差や狭い通路
こうした場所を地図に落とし込み、写真や注意表示とあわせて掲示、共有すると、避難行動の安全性が高まります。
園児の避難誘導や人数確認、安全確保
地震発生時には、園児を安全な場所へ迅速に誘導しながら正確な人数確認と安全確保を行う必要があります。
揺れが収まるまでの安全姿勢の指示、頭部保護の徹底、泣き出す子や動けない子への対応など、状況に応じた柔軟な対応が求められます。
クラスごとの名簿確認や避難後の再点呼も重要です。
避難先では安全が確保できる場所へ集団で移動し、職員間で報告・連携を取り合う体制を日頃から整えておきましょう。
園全体での避難訓練の実施(地震、火災、引き渡し)
災害時に冷静な行動を取るためには、定期的な避難訓練が不可欠です。
地震だけでなく、火災や津波、引き渡し時の対応までを想定し、複数パターンで訓練を行いましょう。
訓練は単なる形だけの実施でなく、職員の動きや園児の反応を観察し、課題を洗い出す機会とすることが大切です。
また、非常ベルや放送の音に慣れさせておくことで、実際の災害時にも落ち着いて行動できるようになります。
応急救護の初歩を職員全体で共有
地震によって園児や職員がケガを負うケースも想定されます。
救急車がすぐに来られない場合もあるため、応急手当の基本を職員全員が共有することが求められます。
止血や骨折対応、意識確認、心肺蘇生など、最低限の知識を講習などで習得しておくと安心です。
誰が対応するか、救護係などの役割を事前に決めておくことで、いざという時の行動がよりスムーズになります。
園児に「防災教育」を実施
園児にとって「地震=怖いもの」とだけ伝えるのではなく、命を守るための行動を日常の中で繰り返し学べる環境づくりが重要です。
遊びや生活の中に防災要素を取り入れることで、自然に理解を深めていけます。実践例としては以下のようなものがあります。
- 防災絵本や紙芝居の読み聞かせ
- 防災ごっこ(避難訓練を遊び感覚で体験)
- 手遊び歌やリズムで安全行動を習得
- 地震時の「だんごむしポーズ」や机の下への避難練習
- 年齢に応じた防災カードやぬり絵の活用
楽しみながら“自分で自分を守る”力を育てることが、防災教育の第一歩となります。
保護者と連携して地震対策を実施
災害時の対応には、保護者との情報共有と信頼関係の構築が欠かせません。
園と家庭が連携して同じ方向を向いておくことで、非常時にもスムーズな対応が可能になります。
以下のような取り組みを通じて、協力体制を築きましょう。
- 災害時の引き渡しルールを文書や説明会で共有
- 緊急連絡手段(電話・メール・掲示)を明確化
- 保護者参加型の避難訓練の実施
- 家庭向けの防災リーフレット、おたより配布
- 備蓄品提供の協力呼びかけ(例:オムツ・飲料水など)
- 防災アンケートで家庭の状況や意識を把握
こうした日常的な連携の積み重ねが、災害時の「迷いのない対応」につながります。
ご紹介した各種対策も、園舎が倒壊すれば意味がありません。
預かっているお子さんや職員の命を守るためには、複数回発生する地震の揺れでも倒壊、損壊しない工夫が求められます。
建物の強度を高める「耐震」のほか、揺れのダメージを吸収する「制震」も含めて検討し、地震に強い園舎を実現しましょう。

まとめ│平時の対策で子どもの安全を確保する
地震はいつ起こるかわからないからこそ、保育園や幼稚園では平時からの備えが不可欠です。
園舎の安全対策、職員の対応力向上、防災教育や保護者連携まで、ひとつずつ実践していくことで、子どもたちの命を守る体制が整います。
とはいえ、「どこから着手すべきか分からない」「設備面に不安がある」と感じる場合は、専門家の力を借りることも大切です。
地震対策をお考えなら、地震の揺れによる園舎へのダメージを軽減する、制震ダンパーの専門メーカーであるトキワシステムにご相談ください。
トキワシステムは、地震の揺れを抑える「制震ダンパー」を製造、提供する企業で、全国の工務店や設計者と連携し、安心・安全な建物づくりをサポートしています。
複数回発生する地震による揺れから、園児や職員の安全を守る有効な手段のひとつとして検討しましょう。
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