ツーバイフォー工法の住宅とは?メリット・デメリットなどの特徴、耐震性についても解説
木造の戸建て住宅の工法には「在来工法(木造軸組工法)」と「ツーバイフォー工法(木造壁式工法)」の2種類があります。
本記事ではツーバイフォー工法の住宅に注目し、メリットデメリットを解説します。
地震が多い昨今、気になる耐震性のほか、耐震・制震・免震といった地震対策についても解説しますので、地震に強い家に住みたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。
・ツーバイフォー工法と在来工法の違いを知ることができます。
・ツーバイフォー工法住宅の特徴(メリット・デメリット)を知ることができます。
・ツーバイフォー工法の耐震性や、耐震性を高める具体的な方法が分かります。
今、費用を抑えつつ住宅の地震対策に高い効果を得られる「制震ダンパー」のニーズが高まっています。
制震ダンパーについて詳細をお知りになりたい方やご興味を持たれた方は、資料請求からお気軽にお問い合わせください。

目次
ツーバイフォー工法とは?

ツーバイフォー工法は、壁で建物を支える「木造壁式工法」のひとつです。
同じサイズの木材と合板を組み合わせてパネル状の部材をつくり、壁や床、天井、屋根など各箇所に貼り合わせ、「面」で箱を組み立てるように空間を作る工法です。
このとき使用する木材が「2インチ×4インチ」(約5cm×10㎝)であることから、ツーバイフォー工法と呼称されています。
なお、「2インチ×6インチ」の寸法の木材を活用する、ツーバイシックスと呼ばれる工法もあります。
ツーバイフォー工法と在来工法の違い
同じ木造住宅には、在来工法(木造軸組工法)もあります。
在来工法は日本古来の伝統的な工法で、日本の住宅の約8割が在来工法で建てられています。
ツーバイフォー工法が「面」で組み立てていく一方で、在来工法は柱や梁などの「線」によって組み立てていきます。
こうしたツーバイフォー工法と在来工法の一般的な違いは、以下の通りです。
比較項目 | ツーバイフォー工法(2×4工法) | 在来工法(木造軸組工法) |
主要な木材 | 2インチ×4インチ(約38×89mm)が基本。2×6、2×8を使うことも。 |
主に105mm角の木材を使用。
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接合方法 | 釘と接着剤で面同士を接合する工法。 |
木材の加工と補助金物による接合。
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施工・工期 | 工場で規格化された部材を使うため、施工性が高く工期も短め。 |
職人の手仕事が中心で、部材の加工や現場作業が多く、工期はやや長め。
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間取りの自由度 | 面構造のため、壁の移動に制限があり、間取りの自由度は低め。リフォームも制限が出ることがある。 |
柱と梁で構成されるため、間取りの自由度が高く、大開口なども可能。リフォームもしやすい。
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耐震性 | 面で支えるモノコック構造により、地震力を分散しやすく、耐震性が高い傾向。 |
耐震基準の改正で強度は向上。合板などの導入により、一定の耐震性能が確保されている。
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気密性 | 面構造で外気の侵入が少なく、気密性が高い。 |
気密性の確保には施工精度が求められる。
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>関連コラム:木造軸組工法(在来工法)と木造枠組壁工法とは?耐震性と効果的な地震対策
ツーバイフォー住宅の価格や坪単価は?
ツーバイフォー工法の住宅を選ぶ場合、気になる点は建築価格です。
一般的な木造住宅と比較すると、m2あたり1~2万円ほど高くなるという調査結果が出ています。
たとえば30坪の土地を建てる場合は、単純計算で約100~200万円の費用増を見込む必要があります。
参考:日本木材総合情報センター『木材利用相談Q&A 100」
家を建てる際はこのように建築費用を見積もり、総額で構造部分の仕様を決めることをおすすめします。
ツーバイフォー工法の住宅のメリット・デメリット
紹介した通りの特徴を持つツーバイフォー工法の住まい、より具体的にどういったメリット、デメリットがあるのか確認してみましょう。
ツーバイフォー工法のメリット
項目 | 内容 |
施工の工期が短い |
材料の規格化と施工のマニュアル化により、短期間での建築が可能。
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仕上がりの品質が安定している |
職人の技術差によるばらつきが少なく、品質が均一に仕上がる。
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コストを削減できる |
工期の短縮と部材の大量生産により、人件費・材料費を抑えられる。
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耐震性・耐火性が高い |
面構造が揺れを分散し、内部構造が火の進行を妨げる。
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気密性・断熱性が高い |
外気の侵入や空気の流出が少なく、温熱環境を維持しやすい。
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ツーバイフォー工法のデメリット
項目 | 内容 |
間取りの自由度が低い |
壁で構造を支えるため、開口部の設置や壁の移動に制限が生じる。
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雨天時の施工に注意が必要 |
屋根の設置が遅れるため、施工中に部材が濡れるリスクがある。
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室内で音が響きやすい |
気密性が高いため、音が外に逃げず室内に反響しやすい。
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施工会社が少ない |
対応できる施工会社が限られており、業者選びに制約がある。
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こうしたメリット、デメリットがありますので、把握した上でツーバイフォー工法を選択しましょう。
ツーバイフォー工法の住宅の耐震性とは?
地震による被害が多く見られる昨今、ツーバイフォー工法の耐震性が気になる方は多いもの。
ツーバイフォー工法は木材を利用し、「面」によって6面体の箱を組み立てるように作ります。
こうした構造を「モノコック構造」といい、建物を構成する外板が耐震の機能を担います。
モノコック構造は外板に強度を持たせることで衝撃を建物全体へ均一に分散、吸収できますので、自動車や鉄道、新幹線や飛行機といった、頑丈さが求められるものにも採用されています。
ツーバイフォー工法の住宅でも同様に地震によるエネルギーを面で受けて分散できますので、柱などに地震のエネルギーが集中することを避け結果的に耐震性が高くなります。
実際に過去の大規模地震においても、大きな被害が少なかったことが複数の調査結果から確認されています。
東日本大震災で居住に支障なし「95%」
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、同協会が仙台市・石巻市エリアを中心に現地調査とアンケートを実施。その結果、ツーバイフォー住宅のうち95%が「当面補修なしで居住に支障なし」という結果となりました。
【アンケート調査内容】
- 調査対象住宅:会員会社が供給したツーバイフォー住宅
- 調査対象住宅戸数:20,772戸
- 当面補修をしなくとも居住に支障ない住宅:19,640戸(95%)
新潟県中越地震でツーバイフォー工法の住宅は全半壊ゼロ
本地震では、住宅被害の報告は全壊・半壊合わせて約18,800棟、一部損壊を含めると約9万棟にものぼりました。
しかし、同協会の調査によれば、ツーバイフォー工法の住宅において全半壊の報告はゼロとされています。
阪神淡路大震災で補修なく居住可能は「96.8%」
1995年に発生した阪神淡路大震災では、住宅の全壊約101,000棟、半壊を含む被害は約289,000棟以上という甚大な被害が発生しました。
その中で、同協会が調査したツーバイフォー住宅のうち96.8%が補修なしで居住可能な状態を維持していたと報告されています。
このようにツーバイフォー工法の住宅では、大きな地震を受けた場合でも、倒壊・損壊に耐えうる構造であることが分かります。
ただし、単に耐震性を高めただけでは、複数回発生する地震によるダメージの蓄積は避けられません。
余震など、何度も発生する揺れに対しては、「制震」や「免震」など、揺れによるダメージを軽減する工夫がおすすめです。
・複数回発生する地震にも対応可能
・リフォームによる後付けも可能
・免震と比較して1/3~1/5ほどの低コスト
このように複数のメリットがありますので、ツーバイフォー工法の住宅の地震対策をご検討中の方は、資料請求からお気軽にお問い合わせください。

ツーバイフォー工法の住宅に「制震ダンパー」は設置できる?
「制震」とは、地震の揺れそのものを吸収・抑制し、建物に伝わる力を軽減する技術です。
この制震技術を住宅に取り入れる方法として、最も一般的なものが「制震ダンパーの設置」です。
制震ダンパーとは、建物内部に取り付けて揺れを吸収・分散させる装置であり、地震による構造体の変形や損傷を抑える効果が期待できます。
特に繰り返しの揺れに強く、耐震構造の弱点である「連続する地震へのダメージ蓄積」を補う存在として注目されています。
>関連コラム:制震ダンパーとは?効果を解説│種類と特徴、価格や選び方など総合的に解説
では、ツーバイフォー工法の住宅にも制震ダンパーは設置できるのでしょうか。結論から言うと、設置は可能です。
注意点は、市場に出回っている制震ダンパーの多くは在来工法(木造軸組工法)専用に設計されているものが中心であることです。
このため、ツーバイフォー工法の住宅に設置する際は「対応製品かどうか」を確認する必要があります。
特に、柱の間隔が短く設置できる設備に制限のあるツーバイフォー住宅では、ダンパーが小型であればあるほど対応可能なケースが増える傾向にあります。
選定にあたっては「製品の大きさ」や「施工条件の柔軟さ」も重要なポイントになります。
また、制震ダンパーに限らず、いずれの地震対策においても共通する重要な視点として、「どんな製品でも効果があるわけではない」という点に注意が必要です。
- 第三者機関による信頼できる性能試験のエビデンスがあるか
- 実績や採用事例など、確かな裏付けがあるか
これらをきちんと確認し、安心して設置できる製品を選ぶことが大切です。
>関連コラム:制震ダンパーはどこがいい?ランキングでの紹介は難しい?メーカーや製品を選ぶ8つの方法を解説
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」はツーバイフォー工法の住宅に対応

トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、在来工法はもちろん、ツーバイフォー工法の住宅にも対応している制震ダンパーです。
制震ダンパーの配置(設置)計画は、弊社スタッフが行います。
制震性能の向上はもちろんのこと、梁のかかり方、金物干渉の有無などきめ細やかな点に配慮しながら、設置現場でのトラブルが起こらないよう最善の対策を心がけて配置計画を行います。

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」の特徴
トキワシステムでは”振動計測器メーカー”としての経験と技術が認められ、名古屋の国立研究機関からの要請による「木造住宅専用の振動測定装置」の開発を経て、振動を吸収する技術に特化した「αダンパーExⅡ」を開発しました。
10年以上、そして中部圏(東南海地震警戒地区)を中心に20,000棟の実績があり、おかげさまで東海地域ではナンバーワンの実績です。
また、「αダンパーExⅡ」は東京工業大学・静岡大学・豊田工業高等専門学校・岐阜県立森林文化アカデミーなどの数多くの学術研究機関による性能試験をクリアし、その確かな性能が認められています。
制震装置「αダンパーExⅡ」の特徴をまとめると、次の通りです。
- 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
- 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
- 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
- コストパフォーマンスの高さ
- さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
- 20,000棟以上にもおよぶ採用実績
- 新築へも既存住宅へもフレキシブルに施工可能
次の制震装置付き耐力壁の実験動画をご覧ください。
続いて、次の実証実験結果をご覧ください。

耐震工法で建てられた住宅に制震装置『αダンパーExⅡ』 を設置すると、設置前に比べて大きく地震の揺れが軽減されることがわかります。
(※radとは、radian(ラジアン:層間変形角を意味する国際単位)の略で、柱の傾きを示し、分母の数字が大きくなるほど実際の傾きは少なくなります。)
このように数ある制震ダンパーの中でもトキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は十分な採用実績、きちんとした裏付けに基づいた安心の技術でお施主様のご自宅をお守りします。
まとめ
ツーバイフォー工法の住宅は、「面」で支えるモノコック構造により、もともと高い耐震性を備えた工法です。
過去の大地震でも実際に倒壊・損壊の少なさが確認されており、安心感のある住まいと言えます。
しかし、耐震性能だけでは、繰り返し発生する地震の揺れに対するダメージを完全には防ぎきれません。
そこで近年注目されているのが、揺れを吸収・軽減する「制震」技術です。
ツーバイフォー住宅でも、対応製品を選べば制震ダンパーの設置は可能です。
耐震と制震を組み合わせることで住まいの地震対策はさらに強化され、より長く安心して暮らせる家へと進化します。
「今の家に制震ダンパーは設置できる?」「地震対策を強化したいけど、何から始めればいい?」
こうした疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
大切なご家族と暮らしを守るために、今できる備えを始めましょう。
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―

いつ起きるかわからない地震。
恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震化された住宅の弱点を補いつつ、建物の倒壊防止に効果を発揮します。
「この住宅には設置できるの?」
「取り入れてみたいけれどどうやって設置するの?」
などご質問やご不明な点等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームはこちらからどうぞ。
資料請求フォームからもご質問等受け付けております。
