制震ダンパーとは?効果を解説│種類と特徴、価格や選び方など総合的に解説
「制震ダンパーとは?どういった特徴を持っていますか?」
こうした質問を頂くことがあります。
そこで本記事では、そもそも制震ダンパーとは、どのような仕組みで作動して地震の揺れを抑えるのか、具体的なメカニズムについて解説します。
複数ある制震ダンパーの種類やメリットなどの特徴、気になる価格や選び方などについて総合的にご紹介しますので、新築やリフォームでの地震対策について迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
・住宅やアパートなどの建物に地震で揺れが生じたとき、備えとなる制震ダンパーのメカニズムが分かります。
・制震ダンパーを設置するメリットのほか、他の地震対策との比較や価格など、全般的に確認できます。
今、費用を抑えつつ住宅の地震対策に高い効果を得られる「制震ダンパー」のニーズが高まっています。
制震ダンパーについて詳細をお知りになりたい方やご興味を持たれた方は、資料請求からお気軽にお問い合わせください。

目次
制震(制振)ダンパーとは?
>制震ダンパー施工事例(株式会社三宝工務店様・S様邸・新築工事)
制震(制振)ダンパーとは、住宅やアパートなどに生じた地震による揺れを吸収し、建物に加わる変形や損傷を抑える装置です。
地震などで発生する揺れのエネルギーを、ダンパーという装置が油圧やゴムの弾力性などを利用して吸収する仕組みです。
住宅においては、主に地震対策として新築・リフォームの際に、壁と柱の接合部などに設置します。
年間1,000件を超える地震が発生する日本では、将来発生が予測される大地震への備え、余震や頻発する中規模地震による地震のリスクを抑えるための地震対策として近年、導入が進んでいます。
たとえば、弊社トキワシステムが提供する「αダンパーExⅡ」は、大手ハウスメーカー・地域工務店での施工実績を含めると、日本全国で20,000棟を超える住宅等で導入されています。
制震(制振)ダンパーを導入するメリット
制震(制振)ダンパーを設置することで次のとおりのメリットがあります。
- 地震や台風などの揺れによる建物の変形、損傷が少なくなる
- 上部構造の変形、損傷の軽減により基礎部分の損傷も少なくなる
- 耐震構造に加えて制震構造を加えることで、建物の耐久性が高まる
- 複数回繰り返される余震にも効果を発揮し続ける
- 免震構造と比較して低コスト、小型で施工性も高い
- 製品によっては既存の住宅に取り付けられる
制震(制振)ダンパー利用の注意点
一方で制震(制振)ダンパーには、適切な数を適切な位置に設置しなければ効果が低くなる点、また複数個設置する必要があることから、他の地震対策より導入費用が高くなる可能性がある点などに注意が必要です。
耐震や免震構造、また制震(制振)ダンパーの中で複数ある製品から、建物の状況や構造、地盤などに最適な製品、メーカーを選ぶことが重要といえます。
制震技術を選択肢に含めている場合は、120年以上の耐久性、メンテナンスフリーで建物の変形量を半減させる「αダンパーExⅡ」の利用がおすすめです。
詳細をお知りになりたい方やご興味を持たれた方は、資料請求からお気軽にお問い合わせください。

制震(制振)ダンパーは意味がない?必要性と効果を解説
制震(制振)ダンパーの導入を検討する際は、「建物が耐震基準をクリアしていれば十分では?」「小さな揺れでも効果があるの?」「制震ダンパーを設置しても意味ないのでは?」といった疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、建物が耐震基準をクリアしているだけでは地震対策としては十分ではありません。
建築基準法を満たして耐震性能を満たした住宅でも、近年の大地震で倒壊や大規模な損傷を受けた住宅も多数存在します。
これは、地震発生後の余震や強風などによる建物へ繰り返し生じるダメージで耐震性能が低下することがあるからです。
>制震ダンパー施工事例(株式会社BLISS様・U様邸・新築工事)
繰り返しの揺れの対策として効果を発揮するのが、「制震(制振)装置=制震(制振)ダンパー」です。
度重なる揺れを何度も吸収して衝撃を軽減することで、住宅の構造部へのダメージを抑える効果を期待できます。
>関連コラム:制震ダンパーは意味ない?制震の効果と必要性を徹底検証
もちろん、新築・リフォーム・リノベーションなどの際に制震(制振)ダンパーを設置するだけではなく、住宅の耐震性能も重要です。
仮に耐震性能が低い住宅に、制震(制振)ダンパーを設置しても、倒壊リスクは軽減できるものの、制震ダンパー本来の効果を十分発揮することは難しいでしょう。
一方で適切な耐震性を確認できる住まいに制震ダンパーを設置することで、本来は建物の変位量が最大で3cm生じる地震であっても、1.5cmに留まるなど、建物へのダメージを大幅に抑えられることが分かります。
なお、制震(制振)ダンパーには、複数の種類があります。
それぞれ期待できる効果(制震装置を設置するメリット)が異なりますので、特徴を把握することも重要です。
制震(制振)ダンパーの種類と特徴
制震(制振)ダンパーには、ゴムダンパー、鋼材(こうざい)ダンパー、オイル(油圧)ダンパーの3種類があります。
制震効果を発揮するための素材などに違いがありますので、特徴、メリット、デメリットとその対策をご紹介します。
ゴムダンパーとは
特殊な粘弾性のゴムを制震ダンパーに入れて、地震の揺れに対して伸び縮みさせることで、地震の力を熱の力に変えてダンパーに吸収する仕組みです。
ゴムダンパーのメリット
- 繰り返し発生する地震に有効
ゴムの性質上、伸び縮みするとゆっくりと元に戻る性質のため、何度も繰り返し起きる地震に効果を発揮します。
ゴムダンパーのデメリット
- 気温による変化に弱く劣化しやすくなる
- 装置自体が大型で間取りに制限が生じる
- 大型で設置には複数人の人手を要する
- リフォーム工事に対応する製品が少ない
ゴムダンパーは寒さで硬くなり、高温になると伸びる性質がありますので、気温差が大きい環境では劣化速度が早まります。
また、大型であることが多いため、施工できる場所に制限があります。
鋼材ダンパーとは
金や銅など、金属を用いて作成したダンパーを、総じて鋼材ダンパーと呼びます。
金属が曲がる時の力を熱エネルギーに変えることで、地震の揺れを軽減する仕組みとなっています。
鋼材ダンパーのメリット
- 構造が単純で導入費用が安い
- メンテナンスが不要、または頻度が少ない
鋼材ダンパーは、比較的単純な構造であることが、導入費用の安さやメンテナンスの容易さといったメリットにつながっています。
鋼材ダンパーのデメリット
- 熱エネルギーへの変換が始まる大きな揺れのみ効果を発揮する
- 繰り返し発生する揺れによって金属疲労を起こす可能性がある
一方で、鋼材が曲がり始めるほどの揺れでないと効果を発揮しない点、何度も効果を発揮する中で金属疲労を起こして効果がなくなるケースがある点はデメリットです。
オイル(油圧)ダンパーとは
内部に充填したオイルの抵抗により、揺れを吸収する仕組みを持つダンパーをオイル(油圧)ダンパーと呼びます。
車の乗り心地を良くするための「ショックアブソーバー」の技術を応用しています。
オイルダンパーのメリット
- 小さな揺れから大きな揺れまであらゆる揺れに効果を発揮する
- 製品がコンパクト、かつ外周を中心に施工するため間取りが制限を受けない
- 後付けが可能でリフォームにも対応している
オイルダンパーは車の振動を吸収する技術を採用しているため、小さな揺れから大きな揺れまで対応が可能です。
また、地震だけでなく、近年増加している台風などの強風に対しても効果を発揮します。
たとえば、トキワシステムの制震(制振)ダンパー「αダンパーExⅡ」については以下のような実証結果があります。

出典:岐阜県立森林文化アカデミー(建築学科・小原勝彦博士)にて『制振材料付き耐力壁試験』(動的加力試験)
ダンパー2本でも4本でも、地震の揺れ(等価せん断耐力)の発生し始めから制震効果が発揮され、揺れを吸収していることが分かります。
また、製品自体がコンパクトで主に外周部に設置されるため間取りの制約を受けない点、既存の住宅でも簡易なリフォーム工事で設置できる点などもメリットに挙げられます。
オイルダンパーのデメリット
- 複数設置する必要があり、間取りなどによって費用が高くなる
他のダンパーに比べると小型であることから、建物全体をカバーして十分な効果を発揮するために、ある程度の本数が必要になります。
建物の状況によって導入本数が変わり総費用が変動する点には留意が必要です。
オイルダンパーのコストパフォーマンスを最適化するには、専門家のアドバイスを受けながら必要な場所に必要数を確保して設置するとよいでしょう。
導入実績が多く、第三者機関での検証データが多い制震ダンパーのメーカーは設計プランの知見も豊富です。
制震ダンパーは専門の設計スタッフと相談しながら導入を検討することをおすすめします。
制震ダンパー『αダンパーExⅡ』の導入時は、専門設計スタッフが建物の状況を踏まえ、きめ細やかな配置計画を行なっています。施工会社が住宅の制震性能を効果的に高める配置、梁や金物干渉の有無などを含めてプランを検討してくれます。
制震(制振)ダンパーの価格相場
制震ダンパーを設置する上で気になる点は、どの程度の費用がかかるのか、ということです。
たとえば、トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」を例にしますと、平屋や2階建てで10~20本前後、3階建てで30本前後の制震ダンパーを設置する必要があります。
このとき、制震ダンパーを設置する費用の目安は約50~80万円ほどです。
それでも耐震リフォームや免震構造の追加といった対策と比較すると、大幅に費用を抑えつつ地震対策が可能となりますので、制震(制振)ダンパーの利用を検討してみましょう。
>関連コラム:制震ダンパーの設置価格、費用はどれくらい?他の地震対策や「生活を再建するための費用」との比較を確認
制震(制振)ダンパー、製品やメーカーの選び方
本記事で紹介しているとおり、制震(制振)ダンパーには複数の種類があります。
また、同じオイル(油圧)ダンパーについても、多くの会社から製品が出ていますので、どの製品を利用するか迷ってしまいます。
こうした場合は、以下の7つの検討項目から最適な制震ダンパーを選んでみましょう。
- 設置することで得られる効果
- 導入するために必要な費用
- 設置できる家の種類や条件
- 設置の効果を期待できる期間
- 施工性やメンテナンス性の高さ
- 制震ダンパーの種類
- 制震ダンパーの導入実績
各項目について、より詳しく確認したい方は、以下のコラムをご確認ください。
>関連コラム:制震ダンパーはどこがいい?ランキングでの紹介は難しい?メーカーや製品を選ぶ8つの方法を解説
製品の比較方法に加えて、メーカーを適切に選択することも重要です。
メーカーによって、費用や施工性、リフォームでの設置の可否など特徴が異なるからです。
以下のコラムでは制震ダンパーの代表的なメーカーについて紹介していますので、具体的に取り付ける製品を選択する際に参考にしてください。
>関連コラム:制震(制振)ダンパーの種類(オイル・粘弾性・鋼材)を比較・解説│メーカーや制震方式の特徴も紹介
まとめ:制震(制振)ダンパーは特徴の理解が大切
>制震ダンパー施工事例(株式会社くらしのリーザ様・M様邸【愛知県】)
本記事では、制震(制振)ダンパーとは何か、また設置による効果や種類と性能について解説しました。
制震(制振)ダンパーは、地震の揺れを吸収することから、耐震と共に施工することで建物へのダメージを軽減できる技術です。
また、小型で間取りの制約を受けない点、新築住宅はもちろん既存の住宅のリフォーム・リノベーションの際にも導入可能である点など、メリットも多い地震対策です。
大切なご家族を地震災害から守るためには、ご自宅の状況、地盤や倒壊リスクなど地域の事情に応じた検討が必要です。
住宅での導入実績が多く、第三者機関等で効果が実証されている信頼性の高い制震(制振)ダンパーを選び、専門家に相談しながら導入しましょう。
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―

あなたの大切なご自宅にも、制震ダンパーを取り入れてみませんか?
マイホームは家族が長い時間を過ごす場所。
誰もが大切な家族を守りたいとお考えではないでしょうか。
私たちは制震ダンパー「αダンパーExⅡ」で、あなたの大切な家族を守るために貢献いたします。
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