制震ダンパーで戸建住宅に地震対策を施した「実例」を見てみよう|効果や施工についても解説

制震ダンパーの施工実例

先日トルコ南東部で発生した地震では建物倒壊による被害がとてつもなく大きく、あらためて建物の耐震性や地震対策について考えさせられた方も多いのではないでしょうか。

地震大国日本では耐震基準の改正や古い建物の耐震化の推進など、政府主導で建物への地震対策が取り組まれており、成果も見られ始めています。

そんな中、一般の住宅でも耐震にプラスして「制震」を取り入れる方法が注目されており、大手ハウスメーカー等でも導入されています。

一方でこれから導入を検討されている企業様の中には、その効果や施工方法、費用面などにおいて不安があり、導入を迷われている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は実際に制震ダンパーを導入している実例の写真をご紹介するとともに、制震ダンパーの施工や効果についてよく寄せられる質問を基に解説したいと思います。

この記事を読んだらわかること

・戸建て住宅に制震ダンパーを設置した実例を見ることができます。
・制震ダンパーの効果や施工・費用について知ることができます。

制震と制震ダンパー

耐震・制震・免震

まずは制震について簡単におさらいしておきたいと思います。

制震とは建物の地震対策の3本柱である「耐震・制震・免震」のひとつで、元々はタワーマンションや東京スカイツリー、熊本城などの大型建造物に用いられることが多かった技術ですが、近年は一般の戸建て住宅にも取り入られるようになってきました。

制震とは

制震とは建物に制震装置を設置し地震の揺れを吸収して抑制する技術のことで、「制振」と呼ばれることもあります。

制震には、

  • 小さな揺れから大きな揺れまで対応
  • 余震など繰り返しの揺れにも効果を発揮
  • 建物に伝わる地震の揺れが小さい

などの特徴があり、耐震化された住宅にあわせて用いることで耐震の弱点(繰り返しの地震・小さな揺れに弱い)を補うことができます。

<参考コラム>

あらためて知る「制震」のすごさ|今住宅に制震が取り入れられています

【耐震・免震・制震】の違いを再確認│メリットやデメリットを解説

制震ダンパーとは

地震対策として制震技術を住宅などの建物に取り入れるには制震装置の設置が必要となり、制震装置には主に「制震ダンパー」が用いられます。

制震ダンパーは大きく分けてオイル・ゴム・鋼材の3種類があり、それぞれ特徴や設置箇所、設置方法等が異なります。

それぞれの主な特徴は次の通りです。

【オイルダンパー】

オイルとピストンで構成される制震ダンパー。

地震の揺れを受けるとピストンが動き、ピストンに開けられた小さな穴からオイルがバルブに流れ出たり戻ったりすることで生じた熱がエネルギーとなり、地震の揺れを吸収し、住宅が地震の揺れから受ける負担を軽減します。

【ゴムダンパー】

ゴムの弾力性を利用した制震ダンパー。

ゴムが揺れを柔軟に受け止めて吸収し、地震の揺れによって住宅にかかる負担を抑えます。

鉄鋼ダンパーと比較して金属疲労を起こし折れてしまう心配がありませんが、ゴムという伸び縮みしやすい性質上、温度変化に弱く、地域の気候によっては劣化が起こりやすいのが弱点となっています。

【鋼材ダンパー】

金や銅など、金属を用いて作成された制震ダンパー。

金属が曲がる時の力を熱エネルギーに変えることで、地震の揺れを軽減します。

金属を組み合わせたシンプルな構造であるため比較的安価に導入できますが、繰り返しの変形によって金属疲労が生じ破損するリスクがあります。

大型建造物だけでなく一般の木造戸建住宅に用いられる制震ダンパーにも上記の種類がありますが、今回のコラムではオイルダンパーでランキング1位である「αダンパーExⅡ」を用いて解説していきたいと思います。

その他の制震ダンパーのランキングや選び方が気になる方は、次のコラムもご参考下さい。

<参考コラム>

制震ダンパー ランキング オイルダンパーはαDamperExIIが第一位

制振ダンパーはどこがいいの?メーカーや製品を選ぶ目安を知りたい

制震ダンパーとは?その種類や特徴について解説

制震ダンパーの施工や費用は?

では制震ダンパーで気になる施工に関する疑問や費用について、弊社によく寄せられる質問を基に紐解いていきたいと思います。

制震ダンパーの施工は難しい?

施工の様子

制震ダンパーの施工はどのように行うのか、専門知識が必要なのかなど、難易度は気になるところではないでしょうか。

結論から申し上げると、制震ダンパー(オイルダンパーαダンパーExⅡ)の施工は難しくありません

施工に関するまとめは次の通りです。

マニュアル完備で施工しやすい

施工マニュアルを準備していますので、施工に関する事前講習なども必要ありません

平均的な施工であれば半日で完了

一般的な40坪程度の建物で24本取り付ける場合、半日程度で設置することが可能です。

ダンパー1本につきビスが12本必要となり、ビスは制震ダンパーと一緒に専用のものが梱包されているので別途購入の手間や費用もかかりません

その他にホールダウン金物を追加する等の手間もございません。

配置計画は弊社が作成

平面図・立面図・断面図・伏図・金物位置図等をいただければ、無料で配置計画をいたします

また、有償にはなりますが、必要であれば耐震診断による限界耐力計算にて耐震評価も行えます。

費用はどれくらいかかるの?

制震ダンパーの施工や費用

導入に際しては費用やコストパフォーマンスも大切です。

費用は使用本数等により変わりますので、詳しくはこちらよりお気軽にお問い合わせください

なお設置本数については、当社が大学研究機関と共同開発した「最新の低層木造住宅構造解析プログラム」(時刻歴応答解析)によって、最適な設置本数と設置場所を専門の建築士が設計します。

また、過去に実験を繰り返し行っており、東海地震想定の震度7程度のシミュレーション結果によって本数の算出をマニュアル化しております。

本数や設置個所等の詳細は、推奨している内容に限らずご要望に応じて相談を承りますので、こちらもお気軽にご相談ください。

<参考リンク>

トキワシステム公式HP「よくある質問」

新築・リフォーム時の施工実例

地震対策として注目の制震ダンパーですが、実際にどのように取り付けられているのでしょうか。

新築の戸建て住宅やリフォームで、制震ダンパーを設置している様子の写真をご覧ください。

株式会社ヒロホーム様(新築)の施工例

こちらは東京都にオフィスを構える「株式会社ヒロホーム」様より新築住宅への制震ダンパーの施工写真を頂いたものです。

現場の責任者様より、

「特に問題なく取付けできた。大型の制震装置よりも簡単に取付けできた。」

というお褒めの声を頂いております。

制震ダンパーの設置実例
制震ダンパーの設置実例

さらに写真をご覧になる場合はこちらからどうぞ。

株式会社ブルーボックス様(新築)の施工例

こちらは株式会社ブルーボックス様より、新築の分譲住宅及びモデルハウスへの制震ダンパーの施工写真を頂いたものです。

制震ダンパーの設置実例
制震ダンパーの設置実例

さらに写真をご覧になる場合はこちらからどうぞ。

寺本工業株式会社様(リフォーム)の施工例

続いて寺本工業株式会社様より、リフォーム時に制震ダンパーを取り付けた際の施工写真を頂いたものです。

制震ダンパー(αダンパーExⅡ)は大変コンパクトなサイズ感のため、このように壁を剥がしてを設置することも可能です。

現場監督様より、

「施工が非常に簡単で良い。そして、小さいから楽。リフォームだから壁を剥がす工程で少し時間が掛かったが、新築ならば2時間程度で済むのではないだろうか。」

というお声を頂きました。

※αダンパーExⅡはリフォームでもご利用頂ける制震ダンパー(制震装置)となっております。

制震ダンパーの設置実例
制震ダンパーの設置実例

さらに写真をご覧になる場合はこちらからどうぞ。

制震ダンパーの効果

続いて制震ダンパーの効果についてご紹介します。

まずはわかりやすい、制震性を比較した動画からご覧ください。

建物の揺れ具合や変形性が小さいことがよくわかります。

地震の揺れを吸収し変位量を軽減

続いてこちらのシミュレーション結果をご覧ください。

制震ダンパーのシミュレーション結果

耐震工法で建てられた住宅に制震ダンパー(αダンパーExⅡ) を設置すると、設置前に比べて大きく地震の揺れが軽減され、建物の変位が軽減されていることがわかります。

(※radとは、radian(ラジアン:層間変形角を意味する国際単位)の略で、柱の傾きを示し、分母の数字が大きくなるほど実際の傾きは少なくなります。)

柱の変位量を最大55%軽減

続いてこちらもご覧ください。

制震ダンパーのシミュレーション結果

耐震工法で建てられた住宅に制震ダンパー(αダンパーExⅡ)を設置することで、柱の変位量が最大55%低減できることがわかります。

小さな揺れにも効果を発揮

さらにこちらのグラフをご覧ください。

制震ダンパーの効果の実験結果

構造用面材真壁仕様の在来工法軸組試験体に、

  • 制震ダンパー(αダンパーExⅡ)を設置した場合
  • 制震ダンパー(αダンパーExⅡ)を設置しない場合

とで、動的加力時の効果を比較したものです。

結果は次の通りです。

エネルギー吸収量を比較すると、制震ダンパーを設置した場合の方が

  • 2本設置で約30%向上
  • 4本設置で約60%向上

しました。

また、揺れ始めの小さな揺れから効果を発揮していることが認められました。

まとめ

今回は住宅への地震対策として注目されている、制震ダンパーの施工や効果について実際の施工実例とともにご紹介しました。

オイルダンパーは小さなボディで大きな効果をもたらしてくれる制震ダンパーで、導入も比較的容易にできます。

今回のトルコ南東部で発生した地震でも、建物の耐震性の問題に加えて地震発生時が未明だったことも、多数の死傷者を含む大きな被害が出ていることの要因の一つといわれています。

このように、地震は私たちが寝ている間に起こることも大いに考えられます。

地震の多い日本だからこそ、いつ地震が起きても被害を最小限にとどめたいと誰もが願います。

お客様へ「耐震+制震」の住宅を提案することで、より安全で安心な家づくりをすることができるのではないでしょうか。

大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

いつ起きるかわからない地震。

恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。

トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震化された住宅の弱点を補いつつ、建物の倒壊防止に効果を発揮します。

耐震性の優れた住宅に制震ダンパーをプラスして、より安心・安全な住宅を目指してみませんか?

「αダンパーExⅡ」があなたの大切な住宅をしっかりとサポートします。

「この住宅には設置できるの?」

「取り入れてみたいけれどどうやって設置するの?」

などご質問やご不明な点等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら

監修者情報

株式会社トキワシステム

株式会社トキワシステム

制震ダンパー・地震対策の情報について発信しています。
トキワシステムが提供する制震ダンパー『αダンパーExⅡ』は、地震から建物を守り、住まいの安心と安全をご提供いたします。

保有資格
・二級建築士
・フォークリフト運転技能者
・木材加工用機械作業主任者
・第二種電気工事士

受賞歴
・GOOD DESIGN AWARD 2021