制振とは?制震と違うの?家を建てる前に知っておきたい「制振」について解説

制振と制震の違い


マイホームを考え始めたら気になるのが、地震への対策。

耐震性はもちろんのこと、最近では戸建て住宅でも「制震」の技術が注目されています。

ところでこの「制震」ですが、「制振」と記述されているのを見た事はありませんか?

制振と制震。

一体どう違うのでしょうか。

制振と制震では安全性や効果に差はあるのでしょうか。

今回のコラムでは「制振」に注目し、制振と制震は違うのか、制振とはどういうものなのかについてお伝えします。

この記事を読んだらわかること

・制振とはどういうものかがわかります。
・制振と制震の違いについて知ることができます。

 

制振と制震の定義を比較

まずはそれぞれが一般的にどのように定義づけられているかを比較してみましょう。

制振の定義とは

「制振」とはどう定義づけされているのでしょうか。

せい‐しん【制振/制震】(小学館 デジタル大辞泉)

建物に施した装置で、地震や新幹線・大型トラックが付近を通過することなどによる振動を軽減すること。

制振(三栄書房 大車林)

振動エネルギーを熱エネルギーに変換させて消費することによって、振動を吸収すること。

制振 (せいしん) (Wiktionary日本語版)

(建築学, 機械工学) 特殊な装置などを使って振動を打ち消すこと。

引用:辞典・百科事典の検索サービス – Weblio辞書

Web上の辞書によるとこのように定義づけされていますが、デジタル大辞泉では「制振/制震」と表記されています。

また、「制振構造」で調べると、デジタル大辞泉では「制振構造/制震構造」と表記されており、次のように説明されています。

せいしん‐こうぞう〔‐コウザウ〕【制振構造/制震構造】(小学館 デジタル大辞泉)

地震などによる振動を、建物に施した装置で吸収し、揺れを小さくする建造物の構造。建造物の要所にダンパーを設置する。免震構造に比べ効果は落ちるが費用は安い。→免震構造 →耐震構造

引用:辞典・百科事典の検索サービス – Weblio辞書

いずれにしても「制振」は振動を軽減する、吸収する、打ち消す、といった意味合いで用いられています。

制震の定義とは

同様に制震についてもみてみましょう。

せい‐しん【制振/制震】(小学館 デジタル大辞泉)

建物に施した装置で、地震や新幹線・大型トラックが付近を通過することなどによる振動を軽減すること。

制震 (せいしん) (Wiktionary日本語版)

(建築学) 「制振」に同じ。特に、地震に対する建築物・構造物の制振を指す。

引用:辞典・百科事典の検索サービス – Weblio辞書

「制震構造」で調べた場合、結果は「制振構造」と同様でした。

Web辞書だけでなく通常の国語辞典においても「制振」の説明は統一されておらず、中には「制震」のみが記載されている物も多くあります。

三省堂国語辞典においては、2008年の第6版より説明文は変えることなく、見出しと「制振」から「制震」へ変更されています。

つまり、一般的には「制振」ではなく「制震」が用いられているケースが多いことが見て取れます。

また、「制震(制振)」は「耐震」「免震」と並んで地震対策技術における大事な軸のひとつのとなっているため、これらを表すときには他の2語にあわせて「耐震・免震・制震」として使用されるケースが一般的となっています。

一方で、建築や土木関係などの専門用語の辞典類では「制振」を中心に記載されている場合が多くなっています。

特に一般社団法人日本建築学会では用語の表記を「制振」に統一しており、同学会が編集した「建築学用語辞典第2版」では「制振構造」と「制震構造」が別々に解説されています。

制振構造:「制振(振動制御)のメカニズムをとり入れた構造。風や地震による構造物の揺れを目標値以下に抑える目的で用いられる(略)」
制震構造:「制振構造のうち、特に地震に対する揺れを抑えるメカニズムを組み込んだ構造」

 

出典:「建築学用語辞典第2版」(日本建築学会編、99年)

なお、ここで記されている装置とは制振装置(制震装置)と呼ばれるもので、通常は制振(制震)ダンパーが用いられます。

制振(制震)ダンパーについてご興味のある方は、下記バナーよりお気軽にお問い合わせください。

質問の受付や詳しい資料の送付をさせて頂いております。

制振と制震はどう違うのか

制振と制震どう違う?

結論から言うと、「制振と制震の線引きはあいまいである」ということになります。

しかし定義による明確な区別はないものの、「制振か制震かは用途やケースに応じて使い分けされている、あるいは一定の傾向がある」のも事実です。

Web辞書だけでなく通常の国語辞典においても「制振」の説明は統一されておらず、中には「制震」のみが記載されている物も多くあります。

三省堂国語辞典においては、2008年の第6版より説明文は変えることなく、見出しと「制振」から「制震」へ変更されています。

つまり、一般的には「制振」ではなく「制震」が用いられているケースが多いことが見て取れます。

一方で、建築や土木関係専門の用語辞典類では「制振」を中心に記載されている場合が多くなっています。

特に一般社団法人日本建築学会では用語の表記を「制振」に統一しており、同学会が編集した「建築学用語辞典第2版」では「制振構造」と「制震構造」が次のように別々に解説されています。

このように一般的には制震をメインに広く用いられ、専門分野では制振をメインに制震も用いられているということになります。

制振構造:「制振(振動制御)のメカニズムをとり入れた構造。風や地震による構造物の揺れを目標値以下に抑える目的で用いられる(略)」
制震構造:「制振構造のうち、特に地震に対する揺れを抑えるメカニズムを組み込んだ構造」

 

出典:「建築学用語辞典第2版」(日本建築学会編、99年)

住宅業界における制振と制震の使い分けと傾向

住宅業界

こうした使い分けは、ゼネコンやハウスメーカー、マンションデベロッパーなどによって、「制振」または「制震」のそれぞれに意味や定義づけをして使用しているケースも多くあります。

それぞれの使い分けの傾向は次の通りです。

ゼネコン系 「制振」と「制震」は半々くらい。定義づけて両者を使っている場合も。
ハウスメーカー 多くが「制震」を使用。
マンションデベロッパー 多くが「制震」を使用。
制震(制振)ダンパー・制震(制振)装置業界 制震」が若干多い。両方を使用するメーカーも多い。

このように会社やメーカーによってさまざまですが、

  • 地震対策という面で顧客へのわかりやすさから「制震」を用いる
  • 「耐震」「免震」という用語との対比のしやすさから「制震」を用いる
  • 揺れをまとめて表す意味で「制振」を用いる
  • 風の揺れには「制振」、地震の揺れには「制震」を用いる
  • 自然エネルギーの大きな揺れという意味で「制震」を用いる

などの理由が挙げられています。

耐震・免震・制震とは

先でも少しお伝えしましたが、「耐震・免震・制震」は建物の地震対策の軸となる3つの技術です。

それぞれを簡単にご説明します。

耐震

耐震とは「建物の構造体の強度を上げて頑丈にすることで地震の揺れに耐えるようにする技術」のことで、建物を頑丈にして倒壊を防ぎます。

免震

免震とは「基礎と地面の間に免震装置を設置して建物と地面を切り離し、建物に揺れを伝えないようにする技術」のことで、建物の揺れを大きく制御します。

制震

制震とは「構造部に制震装置(制振装置)を設置して地震の揺れを吸収する技術」のことで、建物の揺れを制御し損傷を低減します。

それぞれにメリット・デメリットがありますが、マンションや高層ビル、大型商業施設などの大型建造物では。この3つを組み合わせて地震対策を行っているケースがほとんどです。

また、戸建て住宅においても近年は「耐震と制震」の組み合わせで、住宅を地震から守る対策を講じているケースが増えています。

【関連コラム】
【耐震・免震・制震】の違いを再確認│メリットやデメリットを解説

制振と制震で効果に差はあるのか

では制振と制震を比較した場合、地震対策としての効果に差があるのでしょうか。

家を建てたり購入したりするときに、どちらを選んだほうがよいのでしょうか。

答えは「効果の差はない」です。

住宅や建築に関して使用される際はお伝えした通り明確な定義としての差がなく、それぞれに便宜上や意味を持たせて使用している場合がほとんどです。

したがってどちらの表記が使われていたとしても効果による違いはありません。

「制振・制震」は揺れを吸収して耐震性を守る

住宅や建築に関する「制震」「制震」のいずれも、地震による揺れのエネルギーを吸収して揺れを抑制し、建物へのダメージを低減することは変わりありません。

そしてこうした技術は耐震の持つ弱点(揺れによるダメージが蓄積されるため、繰り返し揺れを受けることに弱い)をカバーし、耐震性の低下を防ぐ、つまり耐震性を守るという役目を担っています。

耐震化が進んだ昨今、更なる住まいの地震対策に「耐震+制震」は欠かせない技術となっています。

まとめ

「制振」と「制震」は場合によって区別されて用いられることもありますが、明確な定義の違いはなく、表記の違いによる効果の差もありません。

これらの技術によって地震の揺れを吸収して抑制し、建物へのダメージの蓄積や損壊を低減します。

住宅や建物に「制振」「制震」の技術を取り入れるには、制振装置(制震装置)を設置することで実現できます。

また、「制振」「制震」は耐震と組み合わせて用いることで相乗効果を発揮するため、用いることで耐震の弱点を補いながら耐震性を守ります。

これからマイホームをお考えの方は、「制振」「制震」の意味の違いだけでなく効果や役割を確認していただき、より安心できる住まいの地震対策としてご参考下さい。

住まいの地震対策として注目の「制震ダンパー」

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

住宅を新築する際はもちろん、最近ではリフォームやリノベーション、耐震工事とあわせて制震装置(制震ダンパー)を設置するケースも増えています。

今後の地震に備えて、「制震(制振)」の技術を大切な住まいへ取り入れてみてはいかがでしょうか。

制震装置はどんなものでもよいわけではありません。

  • 確かなエビデンスに基づいた性能
  • 確固たる実績

を必ずご確認ください。

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

トキワシステムの制震装置「αダンパーExⅡ」は特殊オイルを用いたオイルダンパーです。

「αダンパーExⅡ」は東京工業大学・静岡大学・豊田工業高等専門学校・岐阜県立森林文化アカデミーなどの数多くの学術研究機関による性能試験をクリアし、その確かな性能が認められています。

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」の特徴を簡単にまとめました。


  • 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
  • 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
  • 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
  • コストパフォーマンスの高さ
  • さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
  • 18,000棟以上にもおよぶ採用実績
  • 新築へも既存住宅へもフレキシブルに施工可能

次の耐力壁試験の動画をご覧下さい。

続いて、次の実証実験結果をご覧ください。

耐震工法で建てられた住宅に制震装置『αダンパーExⅡ』 を設置すると、設置前に比べて大きく地震の揺れが軽減されることがわかります。

(※radとは、radian(ラジアン:層間変形角を意味する国際単位)の略で、柱の傾きを示し、分母の数字が大きくなるほど実際の傾きは少なくなります。)

このように数ある制震ダンパーの中でもトキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は十分な採用実績、きちんとした裏付けに基づいた安心の技術でお施主様のご自宅をお守りします。

参考コラム】
制振ダンパーの施工画像20選を住宅タイプ別に紹介!地震後の画像もあり
制震ダンパー ランキング オイルダンパーはαDamperExIIが第一位

大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

いつ起きるかわからない地震。

恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。

この機会に、ご自宅に制震ダンパーを取り入れてみませんか?

「この住宅には設置できるの?」

「取り入れてみたいけれどどうやって設置するの?」

などご質問やご不明な点等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちらからどうぞ。

資料請求フォームからもご質問等受け付けております。

 

 

監修者情報

株式会社トキワシステム

株式会社トキワシステム

制震ダンパー・地震対策の情報について発信しています。
トキワシステムが提供する制震ダンパー『αダンパーExⅡ』は、地震から建物を守り、住まいの安心と安全をご提供いたします。

保有資格
・二級建築士
・フォークリフト運転技能者
・木材加工用機械作業主任者
・第二種電気工事士

受賞歴
・GOOD DESIGN AWARD 2021