制震(制振)ダンパーの種類(オイル・粘弾性・鋼材)を比較・解説│メーカーや制震方式の特徴も紹介
制震ダンパーは、自宅の耐震性を検討する際に候補に挙がる方法のひとつです。
自宅の耐震性を検討する際、候補に挙がる方法のひとつが制震(制振)です。
一方で、制震ダンパーについて調べると複数のメーカーがあり迷ってしまいます。
そこで本記事では、木造住宅に適した制震ダンパーを選ぶために、制震ダンパーの種類やメーカーを紹介します。
制震ダンパーの効果の高さについてもまとめましたので、一戸建ての地震対策で迷っている方はぜひ参考にしてください。
・制震ダンパーには「オイルダンパー」「粘弾性(ゴム)ダンパー」「鋼材ダンパー」の3種があり、それぞれ特徴が異なります。
・ダンパーの種類ごとにも複数の製品(メーカー)がありますので、特徴を確認した上で利用することをおすすめします。
今、費用を抑えつつ住宅の地震対策に高い効果を得られる「制震ダンパー」のニーズが高まっています。
制震ダンパーについて詳細をお知りになりたい方やご興味を持たれた方は、資料請求からお気軽にお問い合わせください。

目次
制震ダンパーの種類、効果の高さを確認
一般的に、地震対策は純粋な強度を高める「耐震」のほかに、以下の2つが挙げられます。
- 制震:地震の揺れを吸収する機構
- 免震:地震の揺れを伝えないようにする機構
このうち免震は効果が高い一方で、費用が高額(おおむね400万円~)で新築で建てるときでなければ導入しづらい特徴を持っています。
一方で制震は費用が比較的安価で(おおむね50万円~)、新築、リフォームとも対応しています。
このため、一般住宅を対象として耐震以外の地震対策を検討する場合は、制震について検討を加えることが一般的です。
制震について調べると、一般木造住宅に適応する制震ダンパーはには、以下の3種があることが分かります。
- オイル(油圧)ダンパー
- 粘弾性(ゴム)ダンパー
- 鋼材ダンパー
はじめに、制震ダンパーの種類ごとの違いについて確認しましょう。
オイル(油圧)ダンパー
オイルダンパーとは、シリンダーのような筒状の容器の中に注入されたオイルが揺れを吸収する制震装置です。
揺れを受けるとピストンが作動して、筒状の容器に開けられた穴からオイルが移動してオイルの溜まっている場所のバランスが変わり、圧力が生まれます。
この圧力によって地震の揺れを吸収する仕組みです。
オイルが通る穴の大きさや形状、粘性の度合いによってピストンの作動状態が変わり効果の高さが変わることから、綿密な設計が求められます。
オイルダンパーが他の2種類の制震ダンパーと比較して優れている点は、微小な揺れであっても大きな揺れであっても、揺れの程度に応じてピストンの作動状態が変わり、どの程度の地震に対しても効果を発揮するということです。
ただし、複雑な構造であることから免震装置ほどではありませんが、他の2種類の制震ダンパーと比較すると費用は高くなりがちです。
また、オイル漏れに対するメンテナンスが必要になる期間は製品により異なるため確認する必要があります。
>関連コラム:制震ダンパーの設置価格、費用はどれくらい?他の地震対策や「生活を再建するための費用」との比較を確認
粘弾性(ゴム)ダンパー
※ゴムダンパーのイメージ
粘弾性(ゴム)ダンパーとは、ゴムやシリコンなどを利用して、素材の持つ弾力性によって地震の揺れを吸収する制震装置です。
比較的単純な構造であることから、導入費用が安価である点がメリットです。
一方で、ゴムの性質から地震の揺れ以外に温度の影響を受ける点はデメリットといえます。
- 温度によって冬季に硬く、夏季に柔らかくなる
- 温度変化による劣化が生じ、耐久性が不安視される
>関連コラム:制震ダンパーのひとつ「ゴムダンパー」とは?特徴や他ダンパーとの違いを解説
鋼材ダンパー
鋼材ダンパーとは、外部から受ける圧力に対して金属の持つ柔軟な性質を利用した制震装置です。
地震の揺れによる圧力を、金属が曲がることにより発生する熱に変換して吸収するシンプルな構造です。
単純な技術であることから3種類の制震ダンパーの中で最も低価格で、ほとんどメンテナンスフリーである点もメリットといえます。
ただし、金属は繰り返し曲がると吸収できるエネルギーの限界を超えて(金属疲労)最終的には折れてしまいますので、耐久性は低めです。
また、ある程度の圧力が加わらないと曲がらず、小さな揺れには効果がない点に注意が必要です。
>関連コラム:制震装置の種類は主に3つ!それぞれの基本的な特徴を比べてみた
種類別、制震ダンパーのメーカーを紹介
制震ダンパーを製造しているメーカーは複数あります。
種類ごとに、メーカーの特徴を紹介します。
オイルダンパーのメーカーと特徴
油圧を利用して地震の揺れを吸収する、オイルダンパーを製造するメーカー、製品および特徴は次のとおりです。
トキワシステム「αダンパーExⅡ」
- 建物の変形量を約1/2に減らす
- 120年以上の耐久性で長期に渡りメンテナンスフリー
- 小型で施工しやすく、新築・リフォームどちらにも対応
日本制震システム「MER SYSTEM」
- 初期制動から制震効果を発揮する
- 多くの角度からの地震に対応するベアリングユニット
- 制震に必要な最低限の本数で工事費を抑える
オーディーエム「DYNACONTI(ダイナコンティ)」
- 建物に伝わる地震のエネルギーを20~40%軽減
- 50年間メンテナンスフリー設計
- 小さな揺れにも効果を発揮する設計
evoltz(エヴォルツ) 制振装置 S042
- 揺れはじめから効くことから建物への損傷を防ぐ
- 100万回作動耐久試験など製品試験で安心
- メンテナンスフリー、設計耐用年数は60年で安心
粘弾性ダンパーのメーカーと特徴
続いて、粘弾性ダンパーを製造するメーカーと制震ダンパーの特徴を紹介します。
住友ゴム業株式会社「MIRAIE(ミライエ)」
- 実大実験にて揺れ幅95%低減の制震性能
- 90年間メンテナンスフリーで長期間安心
富士工業株式会社「Kダンパー」
- 4台の設置で最大76%の揺れを軽減
- 壁倍率3.3倍で耐力壁としても利用可能
鋼材ダンパーのメーカーと特徴
続いて、鋼材ダンパーを製造するメーカーと制震ダンパーの特徴を紹介します。
アイ・エム・エー制震システム「GVA(ジーバ)」
- 実験により揺れの最大70%吸収を確認
- 小さな変形によるエネルギーにも対応
サトウ「耐力制震壁オメガシステム」
- 3階建て実大建物による制震効果検証で安心
- 壁倍率3.5倍、4.4倍で耐力壁としても利用可能
具体的な特徴を把握するためには、資料を請求して比較することが重要です。
油圧ダンパー、トキワシステムの「αダンパーExⅡ」については、以下のバナーよりお気軽にお問い合わせください!

制震ダンパーを選ぶ際のポイント紹介
制震ダンパーは、メーカー・製品によって効果が大きく変わります。
記事の終わりに、どういった基準で制震ダンパーを選べばよいか確認しましょう。
制震ダンパーの後付け(リフォーム)への対応
制震ダンパーを選ぶ場合は、後付け(リフォーム)への対応の可否を調べる必要があります。
リフォームに対応するためには、小型で設置作業が容易な油圧ダンパーから選ぶことをおすすめします。
【油圧ダンパーを製造するメーカー】
●トキワシステム「αダンパーExⅡ」
●日本制震システム「MER SYSTEM」
●オーディーエム「DYNACONTI(ダイナコンティ)」
●evoltz(エヴォルツ) 制振装置 S042
研究機関の実証データが公表されているメーカー
いずれのメーカーも自社製造時に試験を繰り返していますが、中でも信頼できるのは大学など研究機関と協力した実証実験を実施しているメーカーです。
自社に加えて第三者機関とも共同して、開発や性能試験を行っているメーカーを探してみましょう。
まとめ
>制震ダンパー施工事例(株式会社くらしのリーザ様・M様邸【愛知県】)
制震ダンパーは、オイル・粘弾性・鋼材と主に3つの種類があり、またそれぞれ複数のメーカーが製品を製造しています。
制震ダンパーは設置後は数十年スパンで効果を発揮し、また交換せずに使用し続けますので、設置後に十分に安心感を感じられるよう製品を選びましょう。
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―

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