ツーバイフォー工法住宅のメリットデメリットと耐震性|制震ダンパーは設置可能?

ツーバイフォー工法住宅の耐震性

木造の戸建て住宅の工法には、

  • 在来工法(木造軸組工法)
  • ツーバイフォー工法(木造壁式工法)

の二種類があります。

今回のコラムではツーバイフォー工法の住宅に注目し、主に耐震性の観点から特徴やメリットデメリットを解説していきます。

また、近年注目されている「制震ダンパー」はツーバイフォー工法の住宅に設置が可能かどうかについてもお伝えします。

ツーバイフォー工法に興味のある方、既にツーバイフォー工法の住宅にお住まいで地震対策を強化したい方、これから戸建て住宅の建築をご検討中の方、そしてより地震に強い住宅に住みたいとお考えの方はぜひご参考下さい。

この記事を読んだらわかること

・ツーバイフォー工法と在来工法の違いを知ることができます。
・ツーバイフォー工法住宅の特徴(メリット・デメリット)を知ることができます。
・ツーバイフォー工法の住宅に制震ダンパーの設置が可能かどうかがわかります。

 

まずは制震ダンパーについて詳しく知りたい、という方は下のバナーからお気軽にご請求ください。

ツーバイフォー工法とは?

ツーバイフォー工法の住宅

ツーバイフォー工法は「木造壁式工法」のひとつです。

木造壁式工法とは同じサイズの木材と合板を組み合わせてパネル状の部材をつくり、壁・床・天井・屋根の部分に貼り合わせ、「面」で箱を組み立てるように空間をつくっていく工法のことをいいます。

ツーバイフォーとは木材の大きさを表しており、「2インチ×4インチ(ツーバイフォー)」(約5cm×10㎝)の木材を用いて上記の施工をするものです。

ツーバイフォー工法は北米が発祥の工法で、アメリカやカナダでは約9割の住宅がツーバイフォー工法で建てられていると言われています。

世界に目を向けるとオーストラリア、中国、韓国、イギリスの住宅でも用いられており、日本には1974年頃に輸入され現在に至ります。

ツーバイフォー工法と在来工法の違い

在来工法(木造軸組工法)は日本古来の伝統的な工法で、日本の住宅の約8割が在来工法と言われています。

ツーバイフォー工法が「面」で組み立てていくのに対し、在来工法(木造軸組工法)では梁や柱などの「線」によって組み立てていきます。

【柱のサイズ】

ツーバイフォー工法では先述の通り「2インチ×4インチ(約5cm×10㎝)」の柱を重ねるのが基本です。

場合によっては「2インチ×6インチ」「2インチ×8インチ」の柱を用いることもあります。

在来工法では基本的に105㎜角の木材を使用します。

【接合部】

ツーバイフォー工法では釘と接着剤によって接合しますが、在来工法では木材を加工と補助金物で接合します。

【施工・工期】

ツーバイフォー工法は規格化された部材を現場で組み立てるため、施工性が高く工期が短いのが特徴です。

在来工法は現場で職人が柱や梁を施工するため、ツーバイフォー工法と比較すると工期が長めとなっています。

【間取りの自由度】

ツーバイフォー工法は先述の通り面で箱を組み立てるようにつくるため、間取りの自由度が低い傾向にあり、リフォームの際にも制限がある場合があります。

一方、在来工法は間取りの自由度が高く、大開口部を設けたりすることも可能です。

リフォームの際にも耐力壁などを計算すれば比較的自由度が高くなります。

【耐震性】

一般的に、ツーバイフォー工法の住宅の方が「面」で支えるため耐震性が高いと言われています。

しかし近年は耐震基準などによって木造建築物全体の耐震性が一定基準以上保たれている点や、在来工法にも一部合板パネルを用いるなどの方法が導入されているため、一概にツーバイフォー工法の方が耐震性に優れているとも言いきれない面もあります。

【気密性】

ツーバイフォー工法は面でつくられるため、気密性を保ちやすいという特徴があります。

在来工法では気密処理が必要になる箇所がツーバイフォー工法より増えるため、きちんと処理しておくことが求められます。

ツーバイフォー工法の住宅のメリットとデメリット

ツーバイフォー工法の住宅のメリットとデメリット

ではツーバイフォー工法の住宅のメリットとデメリットについて詳しく見ていきたいと思います。

ツーバイフォー工法の住宅のメリット

ツーバイフォー工法の住宅には、次の5つのメリットが挙げられます。

  • 施工の工期が短い
  • 仕上がりの品質が安定している
  • コストを削減できる
  • 耐震性・耐火性が高い
  • 気密性・断熱性が高い

施工の工期が短い

ツーバイフォー工法の住宅では、工場等で材料が規格化されたものを使用し、組み立て技術もマニュアル化されているため現場で比較的容易に組み立てることができるため、短い工期で施工を完了することができます。

仕上がりの品質が安定している

上記と同様の理由から職人の技術力による差が生じにくいため、ツーバイフォー工法の住宅は仕上がりの品質にばらつきが出にくく安定しています。

コストを削減できる

施工の期間が短い点、材料の規格化によって大量生産が可能な点などから、人件費や材料費を含めたコストを削減することができます。

耐震性・耐火性が高い

ツーバイフォー工法ではパネル状の部材を用いて「面」で組み立てるため、耐震性が比較的高いと言われています。

(※ツーバイフォーの耐震性については詳しく後述します)

また、床や壁の内部構造では床根太や枠組材などが一定間隔で組み込まれているため、いわゆる防火扉のような役割を果たし、火の進行を妨げてくれるため、耐火性にも優れています。

気密性・断熱性が高い

面でつくられているため外気の侵入部が少なく、必然的に室内の空気の流出部も少ないため、気密性と断熱性に優れています。

ツーバイフォー工法の住宅のデメリット

一方、ツーバイフォー工法のデメリットには次の4つが挙げられます。

  • 間取りの自由度が低い
  • 雨天時の施工には注意が必要
  • 室内で音が響きやすい
  • 施工会社が少ない

間取りの自由度が低い

ツーバイフォー工法ではパネル状の面(壁)によって建物を支えて強度を上げているため、壁の自由な撤去や大開口部の設置などが難しくなります。

したがって設計時やリフォーム時の間取り変更の自由度が低いというデメリットがあります。

大幅に間取りを変えたい場合、在来工法に比べて費用が高くなるケースが多くなります。

雨天時の施工には注意が必要

ツーバイフォー工法では床などの土台が仕上がった後に1階から順に壁を設置し、2階の壁が設置できてから屋根を付けるため、雨天時の施工には注意が必要となります。

ちなみに在来工法では土台が仕上がるといわゆる上棟を行うため、屋根が比較的早く取り付けられるため雨天時の心配はツーバイフォー工法よりも少ないです。

室内で音が響きやすい

ツーバイフォー工法のメリットでもある気密性の高さは、室内の空気だけでなく音も外へ漏れにくいため、音が室内にこもりやすく響きやすいといったデメリットがあります。

施工会社が少ない

日本の伝統的な工法である在来工法と比較して、ツーバイフォー工法を得意とする会社や施工可能な会社は少ないのが現状です。

その分選択肢が減るのはデメリットと言えるかもしれません。

<関連コラム>
木造軸組工法(在来工法)と木造枠組壁工法とは?耐震性と効果的な地震対策

ツーバイフォー工法の住宅と耐震性

阪神淡路大震災での建物倒壊被害の様子
地震による建物倒壊被害の様子

ではツーバイフォー工法の耐震性についてもう少し詳しくみていきたいと思います。

耐震基準法が改正されて以降、近年の木造住宅の耐震性は全体的にボトムアップされており、一定基準以上の耐震性は確保されています。

基本的にはどの木造住宅も耐震性は向上しており、耐震等級など住宅の耐震性を表す指標によって個々の住宅によって耐震性を具体的に知ることもできます。

とはいえ、一般的にツーバイフォー工法の住宅はやはり耐震性に優れていると言われています

繰り返しになりますが、ツーバイフォー工法では「面」によって6面体の箱を組み立てるようにつくります。

このような構造を「モノコック構造」といい、“外板が強度部材を兼ねる“構造のことを指します。

モノコック構造では外板に強度を持たせることで衝撃を全体に分散・吸収することができるため、自動車や鉄道、新幹線や飛行機といった、頑丈さが求められるものにも採用されています。

ツーバイフォー工法の住宅でも同様にパネル状の壁(外板)が強度部材を兼ねているため、地震によるエネルギーを面で受けて分散させることができるため、柱などに集中することを避け、結果的に耐震性が高くなると考えられています。

ツーバイフォー工法の住宅の耐震性がわかる例

ではツーバイフォー工法の住宅の耐震性がわかる例を、「一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会」の調査結果を基にいくつか見てみたいと思います。

東日本大震災で居住に支障なし「95%」

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)において、「一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会」が東日本大震災の地震発生から約一か月半後、仙台・石巻地域において行った現地調査及びアンケート調査によると、当面補修をしなくとも居住に支障ない住宅は95%にのぼったということです。

【アンケート調査内容】

調査対象住宅:会員会社が供給したツーバイフォー住宅

調査対象住宅戸数:20,772戸

当面補修をしなくとも居住に支障ない住宅:19,640戸

新潟県中越地震でツーバイフォー工法の住宅は全半壊ゼロ

2004年10月23日に発生した新潟県中越地震では、家屋の全壊・半壊が約18,800棟、一部損壊を含めると約90,000棟もの住宅で損壊被害が報告されています。

ここでも同協会の調査によると、ツーバイフォー住宅の大きな被害は報告されていないということです。

阪神淡路大震災で補修なく居住可能は「96.8%」

1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)では、家屋の全壊が約101,000棟、半壊を含めた一部損壊が約289,000棟以上に上りました。

同協会の調査によると、被災地のツーバイフォー住宅のうち96.8%が特に補修をしなくても継続して居住可能な状態を保っていたということです。

ツーバイフォー工法の住宅に「制震ダンパー」は設置できる?

耐震
制震

地震が増えている近年、住宅は耐震性だけでなく制震の技術も取り入れる「耐震+制震」による地震対策がスタンダードとなりつつあります。

耐震とは「建物そのものの強度を高めることで地震の揺れに耐えられるようにする技術」のことで、制震とは「地震の揺れを吸収し抑制する技術」のことです。

住宅へ制震ダンパーを設置することで地震による揺れを吸収し、建物の被害を最小限に抑える効果が期待できます。

また、制震を取り入れることで耐震性の継続に効果を発揮し、耐震の持つ「繰り返しの揺れに弱い」という弱点をカバーします。

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

制震の技術を取り入れるには、住宅へ「制震ダンパー」を設置する方法が一般的です。

制震ダンパーとは「地震による揺れを吸収して振動伝達量を抑えるための装置」です。

ではツーバイフォー工法の住宅へ制震ダンパーは設置できるのでしょうか?

答えは「設置は可能」です。

ただし、多くの制震ダンパーは在来工法(木造軸組工法)にのみに対応している物となっています。

ツーバイフォー工法の住宅に制震ダンパーを設置する場合は、ツーバイフォー工法に対応した製品を選択する必要があります

基本的に制震ダンパーの大きさが小型化されたものであればあるほど対応している設置条件が広くなりますが、導入する際はツーバイフォー工法に対応しているか必ず確認しましょう。

また、ツーバイフォー工法に限らず住宅に制震の技術を取り入れる場合、どんな制震装置でもよいわけではありません。

  • 確かなエビデンスに基づいた性能
  • 確固たる実績

を必ずご確認ください。

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制振ダンパーはどこがいいの?メーカーや製品を選ぶ目安を知りたい

制震ダンパーについてより詳しく知りたい方は、下のバナーよりお気軽にお問い合わせください。詳しい資料を送らせていただきます。

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」はツーバイフォー工法の住宅に対応

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、在来工法はもちろん、ツーバイフォー工法の住宅にも対応している制震ダンパーです。

制震ダンパーの配置(設置)計画は、弊社スタッフが行います。

制震性能の向上はもちろんの事、梁のかかり方、金物干渉の有無などきめ細やかな点に配慮しながら、設置現場でのトラブルが起こらないよう最善の対策を心がけて配置計画を行わせていただきます。

制震ダンパーの配置例(ツーバイフォー工法の住宅)

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」の特徴

トキワシステムでは”振動計測器メーカー”としての経験と技術が認められ、名古屋の国立研究機関からの要請による「木造住宅専用の振動測定装置」の開発を経て、振動を吸収する技術に特化した「αダンパーExⅡ」を開発しました。

10年以上、そして中部圏(東南海地震警戒地区)を中心に18,000棟の実績があり、おかげさまで東海地域ではナンバーワンの実績です。

また、「αダンパーExⅡ」は東京工業大学・静岡大学・豊田工業高等専門学校・岐阜県立森林文化アカデミーなどの数多くの学術研究機関による性能試験をクリアし、その確かな性能が認められています。

制振装置「αダンパーExⅡ」の特徴をまとめると、次の通りです。

  • 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
  • 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
  • 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
  • コストパフォーマンスの高さ
  • さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
  • 18,000棟以上にもおよぶ採用実績
  • 新築へも既存住宅へもフレキシブルに施工可能

次の制振装置付き耐力壁の実験動画をご覧ください。

続いて、次の実証実験結果をご覧ください。

耐震工法で建てられた住宅に制震装置『αダンパーExⅡ』 を設置すると、設置前に比べて大きく地震の揺れが軽減されることがわかります。

(※radとは、radian(ラジアン:層間変形角を意味する国際単位)の略で、柱の傾きを示し、分母の数字が大きくなるほど実際の傾きは少なくなります。)

このように数ある制震ダンパーの中でもトキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は十分な採用実績、きちんとした裏付けに基づいた安心の技術でお施主様のご自宅をお守りします。

まとめ

今回のコラムではツーバイフォー工法の住宅についてお伝えしました。

  • ツーバイフォー工法と在来工法では、相反する特徴が多い
  • ツーバイフォー工法の住宅にもメリットとデメリットがある
  • ツーバイフォー工法の住宅は比較的耐震性に優れている
  • ツーバイフォー工法の住宅へも制震ダンパーは設置できる(対応している制震ダンパーを使用)

ということがわかります。

耐震性が優れているといわれているツーバイフォー工法の住宅へ制震ダンパーを設置することで、より安全な住宅を実現することが可能です。

これからツーバイフォー工法の住宅をご検討中の方、新築のお住まいをご検討中の方はもちろん、既にツーバイフォー工法の住宅にお住まいで地震対策を強化したいとお考えの方も、ぜひご参考下さい。

大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

いつ起きるかわからない地震。

恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。

トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震化された住宅の弱点を補いつつ、建物の倒壊防止に効果を発揮します。

「この住宅には設置できるの?」

「取り入れてみたいけれどどうやって設置するの?」

などご質問やご不明な点等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちらからどうぞ。

資料請求フォームからもご質問等受け付けております。

監修者情報

株式会社トキワシステム

株式会社トキワシステム

制震ダンパー・地震対策の情報について発信しています。
トキワシステムが提供する制震ダンパー『αダンパーExⅡ』は、地震から建物を守り、住まいの安心と安全をご提供いたします。

保有資格
・二級建築士
・フォークリフト運転技能者
・木材加工用機械作業主任者
・第二種電気工事士

受賞歴
・GOOD DESIGN AWARD 2021