制震ゴムとは?住宅に使える制震ダンパーの種類と効果を解説

制震ゴムとは?住宅に使える制震ダンパーの種類と効果を解説

地震対策として、建物の「耐震性」を高めることに加えて、揺れそのものを抑える「制震装置」の導入が注目されています。

制震装置の中でも「制震ゴム(ゴムダンパー)」は、住宅から高層ビルまで幅広く利用される技術です。

本記事では、制震ゴムの特徴や他のダンパーとの違い、導入を検討する際のポイントまでを分かりやすく解説します。

この記事を読んだらわかること

・地震対策として利用が検討される「制震(ゴム)ダンパー」の特徴が分かります。

・ゴムダンパーと比較した場合の、鋼材ダンパーやオイルダンパーの特徴が分かります。

住まいの地震への対策はお済みですか?
今、費用を抑えつつ住宅の地震対策に高い効果を得られる「制震ダンパー」のニーズが高まっています。

制震ダンパーについて詳細をお知りになりたい方やご興味を持たれた方は、資料請求からお気軽にお問い合わせください。

 

制震ゴムとは?防振・耐震との違いも解説

制震ゴムとは?防振・耐震との違いも解説

「制震ゴム」とは、地震などの揺れを吸収するために設計されたゴム製の制震装置です。

弾力性と伸縮性に優れた特殊なゴムを活用し、建物に加わる揺れのエネルギーを効率よく熱など他のエネルギーに変換して吸収、地震の揺れを抑えます。

類似する言葉に「防振」「耐震」がありますが、それぞれ目的が異なります。

  • 防振:機械や設備の振動を防ぐ(エアコンや冷蔵庫などにも使用)
  • 耐震:建物自体の強度で揺れに耐える(柱や梁の強化など)
  • 制震:制震装置の働きで揺れを抑える(耐震に加えて検討される揺れ対策)

制震は、地震時の「揺れを抑える」ための重要な選択肢で、耐震との併用でより強固な地震対策となります。

>関連コラム:結局「耐震・免震・制震」のどれがいいの?効果的な組み合わせの解説と実例を紹介

【用途別】制震ゴムはどこに使われている?住宅・設備・工場の事例

制震ゴムは、建築分野にとどまらず、さまざまな分野で利用されています。

代表的な用途をご紹介しますので、制震ゴムの多様性を確認しましょう。

  • 戸建て住宅:制震ダンパーとして耐力壁に組み込む
  • 高層建築物:柱や梁にゴム系ダンパーを設置
  • 工場、設備:機械振動の吸収に使用
  • 家具、家電:テレビ台や冷蔵庫下のゴムシートなど

このように制震ゴムは身近な様々な箇所で使用されています。

ゴムダンパーの選び方を紹介

ゴムダンパーの選び方を紹介

制震ゴムを使用したダンパーを選ぶ際は、単に「効果が高そう」「評判がよい」といった理由だけではなく、以下の具体的なポイントに沿って選ぶことが重要です。

  • 設置環境への適合性(屋外 or 屋内 / 高温、低温への耐性)
  • 新築限定か、後付け可能か
  • コストパフォーマンス
  • 保証期間とメンテナンスの手間
  • 対応する揺れのタイプ(大地震、小さな揺れ など)

なお、住宅でゴムダンパーを利用する場合は、間取りや耐震性に影響を与えることから、設計の初期にハウスメーカーや工務店に相談することをおすすめします。

ゴムダンパー・オイルダンパー・鋼材ダンパーの違いを比較

ここまで紹介したように、制震ゴムは地震対策の制震ダンパーとして利用されていますが、実はほかにも制震ダンパーには種類があります。

主に3つあるダンパーについてご紹介しますので、それぞれの特徴を把握してから採用する製品を決めましょう。

種類 サイズ 間取りへの影響 対応する揺れ 後付け 費用
ゴムダンパー 大きい 出る場合がある さまざまな揺れに対応 できないものが多い 比較的高い
鋼材ダンパー 大きい 出る場合がある 特に大きな揺れに対応 できないものが多い 比較的安い
オイルダンパー 小さい ほぼない さまざまな揺れに対応 できるものが多い 比較的高い

ゴムダンパーの特徴

ゴムダンパーは、特殊な制震ゴムの「粘弾性」によって地震のエネルギーを吸収する仕組みです。

揺れのエネルギーを瞬時に吸収・復元できる性能から、木造住宅をはじめとする多くの建物に採用されています。

鋼材ダンパーの特徴

鋼材ダンパーは、鋼板や鋼棒が変形する際の塑性(そせい)変形によって揺れのエネルギーを吸収する仕組みです。

構造材と一体化しやすく、設計の自由度が高い点が特長です。
また、材料費が比較的安価であるため、コストを抑えた地震対策が可能です。

ただし、繰り返しの揺れによって金属疲労を起こす可能性があるため、大きな地震の後には交換が必要になるケースもあります。

オイルダンパーの特徴

オイルダンパーは、シリンダー内を移動するオイルの粘性抵抗によって揺れを吸収する仕組みです。

微細な揺れから大きな揺れまで幅広く対応でき、高層ビルなどでも活躍しています。

滑らかで即時的な減衰性能を発揮できる反面、構造が複雑で設置費用も高くなる傾向があります。

 

3つの制震ダンパーについては、以下のコラムでより詳しく解説していますので、比較検討したい方はぜひご覧ください。

>関連コラム:制震ダンパーとは?効果を解説│種類と特徴、価格や選び方など総合的に解説

各種ダンパーには、このような特徴があります。
トキワシステムの「αダンパーExⅡ」はオイルダンパーに当たり、高い減衰性能とメンテナンスフリーで120年の製品保証で住まいの安全性を担保します。

制震ダンパー(オイルダンパー)について詳細をお知りになりたい方やご興味を持たれた方は、資料請求からお気軽にお問い合わせください。

制震(ゴム)ダンパーについてよくある質問Q&A

記事の終わりに制震(ゴム)ダンパーに関連して聞かれることの多い疑問にお答えします。

Q. 制震ゴムは本当に効果がありますか?

A. 制震ゴムには地震の揺れを軽減する効果があります。

建物に伝わる地震のエネルギーを、ゴムの「粘弾性」によって吸収・分散する仕組みで、柱や梁などの構造部材に加わる負担を軽減できます。

特に、本震の後に繰り返される余震に対して強い点が大きな特徴で、耐震構造だけではカバーしきれない揺れにも対応できます。

Q. メンテナンスは必要ですか?

A.製品によっては「メンテナンスフリー」とされているものもありますが、実際には10年〜20年ごとの点検・交換が推奨される場合もあります。

特に長期にわたり住宅を使用する場合は、定期点検を実施することで万が一の性能低下を早期に発見できるため、より安心して暮らすことができます。

点検の有無や交換時期については、導入時に製品の仕様書や保証内容を確認しましょう。

Q. 既存住宅にも後付けできますか?

A.ゴムダンパーは基本的に新築時に構造体と一体化して設置することを前提とした製品が多く、後付けには一定の制約があります。

特に、柱や梁に直接取り付けて地震エネルギーを吸収する設計のため、施工段階での調整や補強がしやすい新築時が最適とされます。

まとめ|制震ダンパーは最適な製品の選択が重要

制震ダンパーは最適な製品の選択が重要

制震ゴムは、建物の揺れを吸収し、繰り返し起こる地震のダメージを抑える重要な建材です。

ただし、温度変化による劣化や既存の住宅への設置の困難さなど、デメリットを抱えていることも確かです。

建物への地震対策を検討する場合は、ゴムダンパーのほかに鋼材ダンパーやオイルダンパーといった製品もありますので、それぞれの装置の特徴を把握した上で採用することをおすすめします。

大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

いつ起きるかわからない地震。

恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。

トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震化された住宅の弱点を補いつつ、建物の倒壊防止に効果を発揮します。

「この住宅には設置できるの?」

「取り入れてみたいけれどどうやって設置するの?」

などご質問やご不明な点等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちらからどうぞ。

資料請求フォームからもご質問等受け付けております。

監修者情報

株式会社トキワシステム

株式会社トキワシステム

制震ダンパー・地震対策の情報について発信しています。
トキワシステムが提供する制震ダンパー『αダンパーExⅡ』は、地震から建物を守り、住まいの安心と安全をご提供いたします。

保有資格
・二級建築士
・フォークリフト運転技能者
・木材加工用機械作業主任者
・第二種電気工事士

受賞歴
・GOOD DESIGN AWARD 2021