耐震性の高い木造住宅が重要な理由は?耐震性を確認する方法、向上させる方法、木造住宅の現状についても解説
日本の住宅の多くは木造住宅ですが、実は多くの住まいは十分な耐震性を備えられていないことをご存知でしょうか。
地震の多い日本において、木造住宅の耐震性を見直すことは欠かせません。
本記事では、木造住宅の現状や他の構造との耐震性の違い、耐震性の確認方法、さらには耐震化を進める具体的な対策まで詳しく解説します。
・日本の木造住宅のシェアや耐震化の現状などを把握できます。
・住宅の耐震性をチェックする方法を確認できます。
・新築やリフォームをする際に、自宅の地震対策として考えるべきポイントや具体的な方法が分かります。
今、費用を抑えつつ住宅の地震対策に高い効果を得られる「制震ダンパー」のニーズが高まっています。
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目次
日本の木造住宅の現状とは?
はじめに、日本における木造住宅の耐震化の進み具合も含めた現状についてご紹介します。
日本は木造住宅のシェアが高い:90%超
日本は新築住宅において、木造で家を建てる割合が高い特徴を持っています。
令和3年の新設着工戸数における木造一戸建ての割合は9割を超えていて、多くの方が木造を選んでいることが分かります。
木造一戸建ては耐震化が進んでいない
一方で、木造を含めた住宅のうち、耐震化を達成できた住まいの割合は徐々にしか増えていない現状があります。
このように、毎年1%前後と少しずつしか耐震化が進まず、全ての住戸に対する耐震化の達成には至っていないことが分かります。
>関連コラム:【耐震化率とは?】工務店ができる取り組みとお客様への訴求のポイントを解説
「木密地域」では特に耐震化が求められる
住宅の耐震化は全ての地域で重要視されますが、特に大切な箇所は「木密地域」です。
木密地域とは、老朽化した木造住宅が隣接して建てられた地域で、接する道路が狭いこともあり延焼被害が生じやすい特徴を持っています。
建物が老朽化しているため、地震時の倒壊リスクが高く、火災の発生も懸念されています。
特に近年は首都直下型地震の発生も予測されていて、住宅が密集している地域における老朽化した木造住宅に対する地震対策が重要視されています。
>関連コラム:東京・首都直下型地震はいつ来る?それとも来ない?│地震対策の具体例も紹介
このように、建築される割合が多い、また従来も多く建てられている木造住宅は、新築、既存の建物を含めて地震対策を取ることが重要です。
制震ダンパーは新築、既存どちらの住宅にも取り付けることが可能で、一度設置すれば基本的にメンテナンスは不要、繰り返し発生する地震の揺れを効果的に抑えます。
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木造住宅の耐震性は他の構造と比べて劣るのか?
日本では多くの住宅が木造として建てられていますが、「木造住宅は地震に弱いのでは?」と心配する声も少なくありません。
確かに、過去の大地震では木造住宅の倒壊や火災による被害が数多く報告されてきました。
>関連コラム:これまでの大規模地震による建物被害のまとめ|地震に強い家を建てたい
しかし、現在の木造住宅は「耐震基準」に則った設計と施工がなされており、必ずしも弱いとは言い切れません。
特に2000年以降の建築基準に適合した住宅では、構造的な強化が施されているケースが多く、被害を最小限に抑える工夫がされています。
また、木材は鉄やコンクリートよりも軽量で柔軟性があり、揺れを吸収しやすいという特性もありますので、特性を上手に活かしながら適切な耐震・制震対策を施すことで木造住宅でも十分な耐震性を確保可能です。
>関連コラム:木造住宅で地震に強い工法はどれ?木造を選択するメリット・デメリットや耐震性を高める7つの方法も解説
住宅の耐震性を確認する方法とは?
新築ではなく、既存の住宅にお住まいの方は、自宅の耐震性が気になる方もいらっしゃるでしょう。
お住まいの耐震性を確認する、2つの方法をご紹介します。
自分でできる簡易的な耐震チェック方法
1つ目の方法は、ご自身の目で簡易的にチェックすることです。
国土交通省が監修する、「誰でもできるわが家の耐震診断」など耐震性の確認をする方法があります。
>参考リンク:日本建築防災協会 誰でもできるわが家の耐震診断
たとえば以下のようなポイントをチェックして、自宅の耐震性が十分なのか確認することが可能です。
- 昭和56年以前の建築か
- 瓦屋根など重い屋根材を使用している
- 壁の配置に偏りがある
- ヒビや傾きがある など
一方で、建築に関する経験がない方が、ご自身で耐震性をチェックすることに不安を感じる場合もあります。
専門家による耐震診断
そこでおすすめできる2つ目の方法は、専門家による耐震診断を受けることです。
診断では、壁の強度や基礎、接合部などを詳細に調べ、必要な補強方法まで提案してもらえます。
市区町村では、耐震診断士による専門診断を行っていることが多く、費用への補助が出て実質的な負担がかからない自治体もありますので問い合わせてみましょう。
耐震性が不足していることが判明したら
地震に備えるためには、木造住宅の地震対策を理解し、適切な方法を選ぶことことが重要です。
木造住宅では、以下の3つのポイントを押さえることで、地震に強い家を実現できます。
- 建築基準法と耐震等級の違いを知る
- 構造ごとの耐震性の違いを把握する
- 耐震、制震、免震の特徴を比較する
建築基準法と耐震等級の違いを知る
木造住宅の耐震性能を判断する際、「建築基準法」と「耐震等級」の違いを理解することが重要です。
建築基準法は最低限の耐震性能を定めたもので、その水準は「耐震等級1」に相当し、より高い安全性を確保するには、耐震等級2や3の取得を検討しましょう。
- 等級1:建築基準法と同等。震度6強~7の地震で倒壊、崩壊しない
- 等級2:等級1の1.25倍の耐震性能。学校や病院に求められる水準
- 等級3:等級1の1.5倍の耐震性能。消防署・警察署レベルの耐震性
>関連コラム:新旧耐震基準と2000年基準の違いとは?|耐震性の確認や耐震補強の方法を解説
>関連コラム:【耐震等級とは?】耐震等級を高くすることで得られるメリット・デメリット
構造ごとの耐震性の違いを把握する
木造住宅の耐震性は、構造によって大きく異なります。代表的な工法は以下の2つです。
- 在来工法:柱と梁で構成される。設計の自由度は高い一方、施工の精度によって耐震性が左右される点に注意が必要。
- ツーバイフォー工法:壁全体で力を受け止める「面構造」の作り。地震力が分散されやすく、建物全体の変形を抑えやすい特徴がある。
また、構造だけでなく、屋根の軽量化や地盤補強も合わせて行うことで、より高い耐震性が期待できます。
>関連コラム:木造住宅で地震に強い工法はどれ?木造を選択するメリット・デメリットや耐震性を高める7つの方法も解説
耐震、制震、免震の特徴を比較する
木造住宅で地震対策を検討する際には、揺れに耐える耐震のほか、揺れを減衰する「制震」、揺れを伝えにくくする「免震」がありますので、特徴を把握することが重要です。
項目 | 耐震 | 制震 | 免震 |
考え方 | 建物自体を強くして揺れに「耐える」 | 揺れを吸収し建物の損傷を「抑える」 |
建物に揺れを「伝えにくくする」
|
構造の特徴 | 柱・梁・筋交いなどを強化 | 制震ダンパーを設置してエネルギーを吸収 |
建物と地盤の間に免震装置を設置する |
地震時の挙動 | 建物が大きく揺れるが倒壊しにくい | 建物の揺れが抑えられ、変形・損傷が少ない |
建物自体があまり揺れない
|
コスト | 比較的安価 | やや高い(ダンパーの種類による) |
高額(装置が複雑で費用は200万円以上が一般的) |
メンテナンス | 基本的に不要 | 製品により異なるが、低メンテ製品も多い |
定期的な点検・交換が必要
|
戸建て対応 | ◎(標準的) | ◎(新築・後付けどちらも対応) |
△(高コスト・設置条件の制約あり)
|
免震構造は高い効果を期待できる一方で、一般的な住宅でも200~300万円以上の費用がかかるため、耐震+制震の組み合わせが現実的かつ効果的です。
>関連コラム:結局「耐震・免震・制震」のどれがいいの?効果的な組み合わせの解説と実例を紹介
このため、「耐震」に加えて「制震」を併用して地震対策することをおすすめします。
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木造住宅の耐震性を向上させる方法を紹介
繰り返し地震が発生する日本では、木造住宅の耐震性が家族の命と財産を守るカギとなります。
耐震診断で「倒壊の恐れあり」と判断された場合はもちろん、築年数が古い住宅や過去に地震の揺れを受けた家では、できるだけ早めに対策を講じることが大切です。
耐震性を高める方法にはさまざまな種類があり、新築・リフォームのいずれのケースにも応用可能です。
以下の表に、代表的な5つの方法とその概要をまとめました。
対策方法 | 内容 |
耐震等級3を取得する |
・建築基準法の1.5倍の耐震性を持ち、倒壊や損傷を防ぐ。 |
制震、免震技術を導入する |
・制震:建物の揺れ自体を制御する技術。制震ダンパーなどを使ってエネルギーを吸収し、構造部材の損傷を防止する。後付けも可能。
・免震:建物と基礎の間に免震装置を設置し、地震の揺れを伝えないようにする技術。 |
地盤調査、地盤補強を行う | ・地盤調査によって、地盤の強度を数値で確認する。 ・軟弱地盤であれば、表層改良や杭基礎などにより地盤を補強する。 |
間取りや建物形状のバランスを整える |
・重心や剛心のズレを抑えた設計により、揺れによるねじれや転倒のリスクを減らす。
・1階と2階の壁をそろえる、正方形に近い形にするなど、設計段階からの工夫が重要。 |
耐震補強(壁・金物・基礎など) |
・既存住宅では、壁の量を増やす、接合部に金物を追加する、基礎を補強するといった工事が有効。
・自治体によっては補助金の対象となるケースもある。 |
これらの対策は、住宅の状態や立地条件、予算に応じて組み合わせることが効果的です。
たとえば、築年数の古い家では壁や基礎の補強を、これから新築する場合は設計段階で耐震等級や制震技術を取り入れることが推奨されます。
地震はいつ発生するか分からないことから、早期の対策が重要となります。
自宅の安全性が気になる方は、まず診断から一歩を踏み出してみましょう。
そこで、地震の揺れを吸収しダメージを軽減する「制震」の考え方を導入することをおすすめします。
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まとめ|高い耐震性を誇る木造住宅を建てる
木造住宅は日本で最も多く建てられている構造ですが、すべての住宅が高い耐震性を備えているわけではありません。
特に古い木造住宅や密集地域では、倒壊や火災のリスクが高まるため、早めの対策が重要です。
耐震等級の確認、制震・免震技術の導入、地盤や構造の補強など、実施できる方法は多岐にわたります。
まずは自宅の耐震性を把握し、必要に応じて専門家の診断や補助制度を活用して、地震に強い家づくりを進めましょう。
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